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〜不可解〜 05

 歩き去ってゆく後ろ姿を冷たい瞳で一瞥した後、ネウロは弥子の頭をいつものように掴み、踵を返した。

「ちょっ!!痛い痛い痛い!!」

 どうも機嫌がよろしくないようである。

「何よぅ!遅いっての?これでも学校終わってまっすぐ来ましたー!!」


―そうではない…そうではないのだ。このミジンコが……―


 珍しく抗議を聞き入れ弥子を下ろし、ネウロはスタスタ歩いて行ってしまう。弥子はトコトコと早歩きで付いていった。

 ほどなくビルに着き、エレベーターで事務所へ。ネウロはその間一切口を開かなかった。
 気紛れな魔人にはよくあること、なのではあるが、弥子は奇妙な違和感を感じていた。

 恐る恐る、
「ネウロ、どしたの…?」
「………」
 返事は、ない。

―どうしただと…?
 それは我が輩の方が知りたいのだ。このカメムシめ―


 弥子に男の知り合いは多く、その邪魔をするのはいつものことではあった。
 そう、いつでも弥子が『謎』の話以外のことを男と話し出せば、無駄なことと邪魔をしてきたのだ。

『このアバズレ崩れが』
 とさえも言ったことがある。
 では何故今更、耳の奥に不愉快な音が響き続ける感覚に苛まれ、ひどく苛立つのであろう…


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あきゅろす。
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