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〜不可解〜 03
「…どーして、あの助手と組んでんの…?」
少女にとってその問いは、唐突すぎたらしい。
「……」
「………」
「…………」
沈黙が、これでもかというほど、流れた。
そうして、ようやく弥子は、口を開いた。
「…ごめんなさい、笹塚さんが何を言ってるのか、よくわかりません」
答えたくないことを無理やり吐かせる趣味は、彼にはない。 職業柄、飽き飽きしている。
だが…知りたかった…。
知りたかったが…最早この少女に、どのような聞き方をしたとて、満足する答えは得られないであろう。
―しかし、どうすれば良いだろう…この雰囲気は―
決して器用ではない彼は、自らがきっかけで作ってしまった場の雰囲気に閉口した。
すると。
「おや先生、遅いと思いお迎えに上がりましたが、こんな近くにいらしたんですね!!」
今となってはわざとらしいとしか思えない声音の、長身の助手の声が響いた。
途端に身を翻し、
「ネウロ!!」
と駆け出す少女。
皮肉だが、助手に場を救われた……
そして少女は、するりと助手の元へ行ってしまう。
『どーして?』と問うなど、自分が惨めになるだけではなかったか……
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