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〜きっかけ〜 04

―ドアが壊れてないのは、ネウロが魔力で開けたから、なのかな。
 リフォームしたばかりの事務所を壊したくなかったから、なんだろーなー…

 ネウロならありえるよなー

 あはははー…―

 …などと、恐ろしさのあまり見当違いのことに弥子の気持ちは及ぶ。




「…さて、先生」

 ネウロは改めて少女に向き直り詰め寄る。弥子は思わず引きつってしまう……


 今まで受けたどんなサディスティックな行為よりも、弥子にとっては恐ろしく、

―…これって、もしかして、もしかしなくても、貞操の危機ってやつ…?―

 思いが及ぶと、元凶である現在気絶中の吾代が恨めしい。


―ネウロが張り飛ばす前に、一発裏拳入れとけば良かった!―

 …などと、埒もないことを考える…しか出来ない。



「さ♪
 先生♪
 お返事は、どうなさったのです…?」


 ネウロは至極愉快そうに。その笑顔がかえって憎たらしい。



―それが何を意味すんのか、どーせちゃんと知りもしないんだろコノヤロー…!!―




 だが…確実なのは…

 とんでもないスイッチを入れてしまったらしいこと……






 “謎”を喰う以外の“欲”に興味を示したらしい魔人と、今後どのように戦えば良いのか、真剣に考え始めた弥子なのであった……










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