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〜弥子の独り言〜 02
この野郎……
…と頭をよぎった悪態も一瞬で、私はストンとネウロの腕の中に落ちたのよね。
これが近かった!
鼻と鼻が少し、ぶつかったもの。
いつまで寝てる…って言われて、やっと自分が寝てたって気付いて正直に謝って、気持ちよかったから、つい寝ちゃった…って言ったら、ネウロは何故か凄く妙な顔をした。
妙な顔で人の顔見ながら何か考えてて、右手で触られた。いきなり。
そこでやっと、コレっていわゆる『いい雰囲気』なんじゃないかって思ったけど、まさかあのネウロが、そんなモンに乗っかるワケないと思うから、名前を呼んでみた。
「どうしたの…?」
って聞くつもりで。
声が震えて裏返っちゃったけど、仕方ないじゃない。私は叶絵と違って、場慣れしちゃいないのよっ。
それ以上は声が出なかった。
いつの間にか、ホントにいつの間にか、あたしのおでことネウロのおでこが重なってて、凄く凄く不思議な感覚があった。
痺れるみたいな、どんどん高くなってく波みたいな、押し寄せる何か。
イヤとかそーいうんじゃなくって、ワケわかんなくて…どうしようどうしよう…って思ってたその時に、私のケータイが鳴った。
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