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〜吾代受難再び〜 06

「反論は許さん。
 尤も、遅れたところで愉しいお仕置きが待っているだけだから、我が輩は貴様が遅れてきても一向に構わんがな」
「こん…の…」
 化け物は探偵の非難の言葉はちっとも聞かずに、いかにも楽しそうに、
「一秒でも遅れれば、だぞ。せいぜい楽しみに……」
 頭を掴み上げながら、言う。
「あーもー!わかった!わかったってば…!!」
 慣れてんのか、痛がりもしねぇ探偵だが、とうとう根負けする…

 …そんなやりとりが、どー聞ーてもいちゃついてるよーにしか感じられないのは、気のせいなのか…?
 んで、間違いなく、もし俺がいなかったら、もっといちゃついてたに決まってるよな……


 ……なんて、しみじみ考えてる場合じゃねーっつーの!


 探偵が帰っちまうなら、化け物の八つ当たりの矛先が俺に向いちまうじゃねーかよ…!!


「んじゃ、その時間には来るからね!あかねちゃんも、また明日ねっ!!」
 探偵は逃げるように事務所を出て行った……

 秘書はバイバイするよーに毛先を振っていたが、俺がそっちに視線を向けると、ためらいがちに三つ編みを下ろして、すごすごと壁紙の中へ…


 …オメーも俺を見捨てるのかよ…?



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