main storyT
〜吾代受難再び〜 04
「………」
化け物は、不機嫌そうに頬杖をついて黙ってる。
化け物に八つ当たりされる心配はおおいにあったが、ひとまず探偵がここにいるなら大丈夫のよーな気がしてきた。
「とりあえずよ、今朝テメーが催促したモンを持ってきてやったぜ」
俺は肩に担いでた、書類が目一杯入ったダンボールをテーブルに置いた。
「…ご苦労」
「うぇ?」
化け物が短く労いの言葉を口にする。俺は驚いちまった。
…何だよ気持ち悪ぃ…
「どうぞ、吾代さん」
そこに、すっかりシャツを整えた探偵がアイスコーヒーを差し出す。秘書が煎れたんなら、味は保証付きだ。
俺はソファに座った。いろんな意味で渇いた喉を、有り難くそのアイスコーヒーで潤してもらうことにする。
探偵は、俺の座った真向かいのソファの背もたれにキレイにかけてある化け物の青い上着を探り出す。グラスを口にしながら、俺はそれを何気なく見る。
…そーいや、今更だが、化け物のこの姿は初めて見た。素肌にベストだけなんて、センスがいーんだかどーなんだか…
そっから探偵は、赤いリボンを抜き出して、ポケットに捻り込んだ。
オイオイオイオイ……
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!