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〜惜しむ者もう一人〜 13
「…仮にも仕事中に寝るなぞ、流石はワラジムシだな。トロイに涎なんぞ垂らして…」
からかうネウロ様に、
「…ッ
垂らしてなんかないもん」
ムキになる弥子ちゃん。
でも、先程までうつ伏せていたトロイに、ちらりと視線を向けます。もちろん、何もありはしませんけど。
その様子にネウロ様は少しお笑いになり、瞼をこする弥子ちゃんに近寄って、
「随分と退屈していたようではないか」
頭を掴み仰います。何だか嬉しそう。
そんなネウロ様をちょっと睨んで、
「…そんなことないもん」
再びトロイにうつ伏せて顎を乗せ、恥ずかしそうに弥子ちゃんは呟きました…
弥子ちゃんたら…
…懲りてないよなぁ…
素直にならなきゃ!
こんな時は!!
「…流石に豆腐頭」
貶し言葉の筈の囁き声は、奇妙な程色めいていました。
「それでは、我が輩が延々とヤコを放っておいても、どうということはなかったと…」
ネウロ様は弥子ちゃんに顔を近付けて囁かれます。
弥子ちゃんがみるみるうちに顔を赤くします。見ていて面白い位。
「邪魔者を用件が済み次第帰したのも徒労であった…と、言うのだな……」
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