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〜惜しむ者もう一人〜 10

「………お気をつけて」

 ネウロ様は、事務所を立ち去る刑事さん達に、それだけ仰いました。眠る弥子ちゃんの頭に手を乗せたまま。

 いきなり何にご機嫌を損ねてしまわれたのでしょうか…?
 思った途端、
「…アカネ…」
 いきなり呼ばれて、私は携帯でデスクをかたんと鳴らしてしまう程驚いてしまいました。

『何でしょう?』
 …の意思表示をすると、
「今の伝言は、貴様からヤコに伝えろ」

 はぁ……


 ネウロ様は私のデスクに来られ、携帯から私を常の居場所に戻して下さいながら、呟かれます。
「…平気で我が輩を数時間も待たせるわ、無防備に寝顔を晒すわ、何を考えているのか…流石はワラジムシなのだな」

 …なんて忌々しそうなんでしょう…


『…でもそれは、弥子ちゃんがネウロ様に甘えているから…ではないですか?』
「………」

『遅くなっても、弥子ちゃんはさいごにはネウロ様のところに戻ってくるではないですか。
 眠ってしまったのは、ネウロ様のせいでもありますよ』
「………」

 もしかして……

 あの石垣刑事さんがあんなこと言わなければ、ネウロ様が突然ご機嫌を損ねることも、なかったのかなぁ…?



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あきゅろす。
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