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〜惜しむ者もう一人〜 09

 弥子ちゃんが起きちゃうじゃないですか…!

「笹塚刑事、ご用件は先程のお話で済みましたか?」
 不意に、ネウロ様が笹塚刑事さんに問いかけます。

 あ、もしかして帰りを促そうとしてる…?

「…あぁ、必要なことはあらかた聞いた。そうだな?石垣」
 手帳をパタンと閉じて、笹塚刑事さんが言います。

 そうだ、この若い刑事さんは石垣という方でした…!
 いやいや違くて…

 笹塚刑事さんもネウロ様の言外の意図を汲み取ったのか…
 今までとは少々違う声音だったのが、聞いていて少しだけ怖いです…

 石垣刑事さんは慌てて手帳を眺めて、
「えー…と…
 ハイ、そーっスね。必要なことは…うん、全部だ」

「…先生のしがない助手でしかない僕がお役に立てて何よりです」
 気のせいか、嘘臭い笑顔のネウロ様。

 笹塚刑事さんは立ち上がり、
「…じゃ、俺らは帰るわ…
 弥子ちゃんが起きたら、よろしく言っといて。コーヒーご馳走様って」
「もちろんですとも」
「…あと、あまりムリしないように…とも。
 弥子ちゃんの本分は、あくまで学生なんだから…さ」


 弥子ちゃんへの伝言というより、ネウロ様への皮肉ですか、これは…?


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