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〜惜しむ者もう一人〜 08
「先生は学業と探偵業でご多忙の身ですからね…」
呟かれながら立ち上がり、トロイに向かいます。
「さぞお疲れなのでしょう。
だからこそ、なるべく先生を煩わせることのないよう、僕がいるのですが…」
…そりゃあ、お疲れでしょうね…イロイロありましたもの…
ともかく、ネウロ様は瞳を細めてしみじみと仰い、ごくごく自然な仕草で頭を撫で髪を弄んで……
『煩わせることのないよう、僕がいる…』
ですか……
弥子ちゃんの聞いていないときには、ネウロ様は随分とらしくない優しいことを仰るのですね。
尤も、刑事さん達…特に笹塚刑事さんに見せ付け言い聞かせる意図が多分にあるのでしょうけれど。
眠る弥子ちゃんをじろじろ眺めながら、若い刑事さんが、
「それにしても、探偵って意外と可愛い寝顔なんだな。女子高生の寝顔なんて、そうそう見れるモンじゃねーよなー…」
何気なさそうに言った途端、笹塚刑事さんの肘鉄が頭を直撃しました。
「あだぁっっ!!
何すんスか先輩っ!」
笹塚刑事さんはそっぽを向いたまま小声で、
「…お前のその発言は犯罪だ」
「そりゃないっスよ!」
……ちょっとうるさいです。
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