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〜惜しむ者もう一人〜 07
皆さんが小難しい、ちょっと血なまぐさいお話をされている間、弥子ちゃんはソファを離れネウロ様の椅子に座って、しばらくパソコンのメールチェックをしていました。
要するに、手持ち無沙汰なんですね。私に話しかけるワケにはいきませんし……
事務所に来るメールの返信・整理は私の仕事ですから、弥子ちゃんはただ見ているだけ。
……本当に、退屈そうに……
笹塚刑事さんが、そんな弥子ちゃんを時々ちらっと見ます。
この方って…
弥子ちゃんに好意を持たれているのかしら…?
ちらほらと耳にした話を頭の中で整理して考えると、この方は弥子ちゃんに、亡くなった妹さんを重ね合わせているようなので、その意味では弥子ちゃんは『特別な女の子』なのか……
それから10分程して、
「あれ、探偵寝ちまってるよ」
若い刑事さんが、驚いたように声をあげました。
私も退屈だったので、ついウトウトしてしまいましたが、その声で目が覚めました。
見ると弥子ちゃんは、トロイにうつ伏せて、すやすやと……
「仕方のない方ですね…」
ネウロ様は微笑み、軽く息を吐きながら仰います。
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