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〜惜しむ者もう一人〜 06

「…犯人がな…よくわかんねーけど、とても取り調べに応じられる状態じゃなくてさ…」
 笹塚刑事さんの切り出した言葉に、弥子ちゃんはちらりとネウロ様を見上げました。
 ネウロ様はソファの背もたれに手をかけ、そしらぬ表情で、お話を聞いておられます。

 私はあまり拝見したことはないのですが、ネウロ様は『謎』を持つ人を陥落させる時に、少々エグい能力をお使いになります。
 弥子ちゃんがいつも愚痴ってるんですよ。状況によっては、とーっても楽しそうなのが、いかにもドSだ…と。
 昨日もそうなさったのかなぁ…やっぱり。

「仕方ねーから、動機と手口、それに状況証拠とか、とりあえず探偵達に再確認しとかないとなんだよ。物的証拠は押さえてあんだけどな…あんたらが見つけたヤツ」

 もう1人の若い刑事さんが後をついで話します。煙草の煙をくゆらせつつ、笹塚刑事さんが頷きました。

「ネウロ…」
 弥子ちゃんが、またネウロ様を見上げています。

 頼ってる顔。
 とっても可愛い顔です。

「なるほど、わかりました。それなら、先生の口を煩わせるまでもありませんね」
 ネウロ様は笑い返しつつ、仰いました。



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