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〜惜しむ者もう一人〜 04
「外は暑かったでしょう?だからアイスコーヒーにしました」
弥子ちゃんが刑事さん達にアイスコーヒーを出すと、ネウロ様がゆっくりとソファに向かいます。
「そーだなー
俺、外回りの時はキッツいから上着は脱いじまうよ。
…にしても、助手のアンタのそのカッコは初めて見たな」
若い刑事さんは何にも気付かずにあっけらかんと言います。
「そうですか?」
さりげなくお答えになるネウロ様ですが、弥子ちゃんはお盆を抱えて無言。
「………」
笹塚刑事さんも、また無言…
「珍しいとは思うけどさ、やけに似合ってんのな!
アンタけっこーイケてるカンジだけど、いつもカッチリスーツ着込んでたから野暮ったいイメージあったんだ実はー」
…と、陽気に笑うこの若い刑事さんは、職に似つかわしくなく随分とお喋りですが、悪い方ではないですね。
「今度からそれで通したら?まだ暑いうちはさ」
「それはどうも…でも、今日はたまたまお見苦しい格好をお目にかけただけですので、ご放念なさって下さい」
「そなの?」
そんな会話の中、弥子ちゃんは手をのばし、ネウロ様のジャケットと、それに隠すようにしてリボンを手に取りました。
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