main storyT
〜惜しむ者もう一人〜 02
笹塚刑事さんは、言葉遣いに難がありますが、紳士でいらっしゃいますね。
「…では、早速ですが、ご用件に入らせて頂いてよろしいですか?」
ネウロ様は読んでいた(…フリをしていた…?)本を本棚に仕舞い、ソファに向かって腕を差し伸べます。
若い刑事さんは、勧められるまま、すぐさまお座りになりましたが、笹塚刑事さんは、一歩踏み出したものの、何故か立ち止まってしまいました。
弥子ちゃんは、笹塚刑事さん達に出す為の飲み物を用意しに給湯室に行っています。私が弥子ちゃんの為に煎れた珈琲がまだある筈でしたから。
その方向と、まだ本棚に佇むネウロ様、それに…
ソファの側のテーブルを順にご覧になっているようでした。
テーブルに何があるのでしょう…?
そう思って見たら、ネウロ様の青いジャケットが無造作に放ってありました。
今更ですが、ネウロ様は非常に珍しく、ややクリーム色がかったベストだけのお姿なのでした。
ネウロ様が先程のあれやこれやの時に、ジャケットをお脱ぎになったのでしょ……
…あれ
ジャケットのすぐ傍…というより、それに半ば覆い隠されてる見慣れたものが……
.
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!