main storyT 〜そして助手は苦笑い〜 25 唐突に、何もかもがもどかしくなる。 次第に何かを考えるのも億劫となり…ただ、いかにしてヤコを更に酔わせてゆけるかが、頭を占める… これまで得てきた俗知識や、ヤコに触れて得てきたデータが脳裏を駆け巡り…… ヤコの胸元に落としていた頭を上げ、再び唇に唇を落とし込み、左手は膝から触れ上へと伝え滑らせて、ゆく。 我が輩が触れたことのない ヤコが触れられたことのない スカートに隠された部分…白い内股に指を這わす……… 「…や…っ」 ヤコが少々身を捩らせる。今更何だというのだ。 もう…遅すぎる… 最早、後戻りは……… 〜♪〜♪〜♪〜 「………」 「………」 ……実に、あまりにも、非常に、極めて場違いも甚だしい、雰囲気をぶち壊す曲が、アカネのデスクから響く…… 無論、ヤコの携帯からだ。 …何故だ? ……何故よりによって、今この時に流れるのが『3分クッキング』のテーマなのだ…? …しくじった…… ヤコから携帯を取り上げた時点で、電源を切るなり音を消しておくなりすべきであったのだ…… 我が輩は脱力してしまい、ヤコの肩口に頭を落としてしまった。 「あの…えっと…… …どうしよ」 ヤコが戸惑い困惑し、しどろもどろに我が輩に訊く。 [*前P][次P#] |