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〜ネウロ逡巡〜 08

 額と額が知らず触れ合うと、頭の芯から痺れてくる、不可思議でありながら心地良い感覚に見舞われた。

 額も…革手袋で触れたヤコの肌も幾分熱く、もっとその熱さを堪能してみたくなる…

「ヤコ……」
 無意識に名を呼ばわる…

 と…


 〜♪〜♪〜♪〜♪〜

 何とも力抜けのするメロディに阻まれた。無論ヤコの携帯である。

 …こんな時に響くのが、『3分クッキング』のテーマだというのが、何とも言えん……
 そして、人間共の『ズッコケる』という感覚を我が輩は初めて体験した。

 ヤコは慌ててポケットから携帯を探り出し、画面を確認してから、
「はいっ!どうしたんです?笹塚さん」

 ……ますます腹立たしい。



「わざわざ心配してくれたんですか…?
 そんな気にしなくても…」
『…………』
「はいっ。おとなしくしてますよー。でもホント大したことないんですから」
『………』
「えっ!!ホントに?!ありがとうございます!!そんな気を遣わなくてもいいですのにー」

 電話の向こうは何を言っているのかは、わからん。我が輩、その気になればその程度の声なぞ拾えるのであるが、聞く価値もない。




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あきゅろす。
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