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〜そして助手は苦笑い〜 09

 仮に『弥かね』に触れようものならば…触れられるような我が輩であるならば…ヤコは手がつけられなくなるかもしれん。

 …それらを、よくよく解っていての『合体』なのだ。

 アカネまでもが荷担するとは思いよりもしなかったのが盲点であり、尚更口惜しい。

 まことに小賢しく小癪…してやられたと思わざるを得ないではないか。




 非常に口惜しいのではあるが……致し方ない。



「…先生」

 立ち上がり、殊更ゆっくりとソファに歩み寄りながらヤコを呼ぶと、ヤコは一瞬びくついた後、のろのろとこちらを見た。

「先程は言葉が過ぎましたか?
 いい加減、ご機嫌を直して下さらないと…」
「…そんなら、謝って」
「…言葉が過ぎたとは申し上げても、その必要があるとは思いませんが…」
「なら、ダメ」

 くるりとまた前に向き直るヤコ。だがあまり勢いがなく、若干の躊躇いを感じた。
 恐らく、怒りはおさまったものの、引き際がわからないのであろう。

「そのままずっと秘書を側においておくわけにもいかないでしょうに。先生が『先生』でいられなくなりますよ?」
「……」

 ヤコはますます膝を抱え、身体を縮こまらせる。




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あきゅろす。
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