main storyT 〜そして助手は苦笑い〜 04 我が輩のことなど全く視野に入れぬまま、ヤコはアカネの助力の甲斐あって、次々と問題をこなしていく。 見る限り、ヤコは、公式はそこそこ頭に入っているようであるのに、答えを導き出す為に必要な閃きが不足しているように思えた。 …この有様で探偵なのだと思うと、何とも情けない心地、ではある… 『弥子ちゃんは、とっかかりさえ掴めれば、ちゃんと出来るんだけどねー。数学は閃きがないと、先進めないし、せっかく覚えた公式も意味がないよ』 アカネは、我が輩が思ったことと同じことを云う。 「うん……」 教材を重ね持ち、底を軽く落として揃えながら、心底恥ずかしそうに縮こまるヤコ。 「ホントにありがとう!すごく助かっちゃった」 礼を口にするヤコは表情を改め明るい口調。今は携帯のストラップとなっているアカネに頬摺りをする。 無意味に時間だけを喰うのが明白な課題が済んだのだから、ヤコが礼を言うのは当然であろうに、アカネは嬉しそうだ… …何故だかわからんが… 非常に腹立たしい…… 「終わったようだな。 良かったではないかヤコ。貴様1人では、一晩かかっても正解には辿り着けなかったかもしれんしな」 . [*前P][次P#] |