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〜秘書の助手観察記〜 11

 それって、狡いことですし、過ぎれば不快以外の何ものでもないんでしょうけれど、弥子ちゃんにはきっと、『困ったな』程度で、結局は可愛く思っちゃう方が勝るのかもしれません。

 何だか、物足りなそうな残念そうな顔をしてたものね。
 ネウロ様もそこだけは抜かりなく見抜かれたのかもしれませんし…

「手紙の選別は貴様の役割であろう」
 正確には、共同作業ですね。
 ともあれ、顔を突き出してネウロ様は仰います。
「それはいつの間にかそーなっただけで!
 そもそもあたしには謎があるかどうかなんてわかんないじゃん!元々、あんた1人でも出来ることじゃん!」
「…だから?」
「だから…って…」

 たじろぐ弥子ちゃん。けど、弥子ちゃんの言うことは正しいです。
 考えてみれば、事務所に届くお手紙の『謎』の有無の判断なんて、ネウロ様にしか出来ないんですよね。
 実際弥子ちゃんが風邪引いた時は、お1人で選別していたんですし…


「ヤコよ、つまり貴様は職務放棄をする…と、こう言いたいのだな。
 ご主人に不誠実な奴隷を持った我が輩は、何と不幸なのであろう」
 ネウロ様が白々しく、でもしみじみ仰る姿は、失礼ですが面白いです。



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あきゅろす。
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