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〜秘書の助手観察記〜 10
「そんなこといわれたって」
いきなりで再びの密着度合いと、ネウロ様の拗ねた言葉の両方にドギマギの表情を隠せないらしい弥子ちゃんは、ひとことだけ返します。
ネウロ様にしてみたら…いつものように懐に潜り込んでくるものだと思っていたのでしょうね。
弥子ちゃんは弥子ちゃんで、急に雰囲気が変わったんで、何となく改めてくっつけなかっただけで、焦らすとか意地悪するとかの深い意図は…
…多少、ほんのちょっとくらいは、あったかもわからないですけれど…
だけど、甘いムードを先に蹴散らしたのは、ネウロ様の方ですからね…自業自得というか、何といいますか…
なのに、結果が本当にその通りになってしまうと拗ねてしまわれるなんて、我が儘にも程がありますよね。
でも、そんな天の邪鬼なネウロ様のご心境は、やはり、なんとなくですが、解ります。
ぶっちゃけて云えば、無意識に無自覚なまま、試した…のではないでしょうか…?
弥子ちゃんの態度に、ご自分への想いが顕れることを、希んで。
ご本人にはそのつもりはないのでしょうけれど、
『それでも求められたい』
という欲求ゆえ…なんだと思うんです。
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