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〜秘書の助手観察記〜 09

 あら、何だかいつもと違いますね。
 こういう時、いつもなら弥子ちゃんは、すんなりネウロ様の脚と脚の間に座り込むのに…

 ソファの背もたれを隔てて、ネウロ様の首越しに柔らかに囲むように腕を伸ばし封書を見せつけるようにして…弥子ちゃんは更に首をのばして、ネウロ様を覗き込みます。

「ね、どれ?」

 弥子ちゃんは笑ってました…が、ネウロ様が少し弥子ちゃんの方に顔を向けると、いったいどんな表情だったのやら、弥子ちゃんは一瞬息を呑みました。


「…『謎』…あるんだよね?」

 困ったように躊躇いがちに言う弥子ちゃんの首に、ネウロ様は黙ったまま腕をのばし絡めて…そのまま力を込めたのでしょうか?

 弥子ちゃんの身体が、遠心力万歳!…みたいに、くるりと半回転してしまいました。


「うわ…!?」

 弥子ちゃんがとっさに叫んだ時には既に、弥子ちゃんの小さな身体はネウロ様と向かい合わせに抱えられています。

 …つまり…弥子ちゃんはネウロ様にまたがった状態なワケで……


「…ミジンコ脳の分際で、まどろっこしいことをするな」

 ……何故だか私、そんなことを仰るネウロ様の気持ちが解る心地がしました……



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