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〜秘書の助手観察記〜 03

 『蟲』を放ってらっしゃるのは度々見ていましたが、目的は知りませんでした。
 だけど、これまでのあれやこれや…特に、ネウロ様が弥子ちゃんの帰ってくるタイミングを正確に把握してきたことを考えあわせると、そうとしか思えませんものね。

 ネウロ様ったら、『ちょっと遅くなる』弥子ちゃんが気になって仕方ないんでしょうか?
 何て束縛の強い方なんでしょうね…!

 ですが、ネウロ様なら、いかにもあり得そうなこと。むしろ微笑ましく思えてしまうのは、私の贔屓目でしかないのでしょうか…?


 私のほのぼのとした感慨を余所に、ネウロ様はその時、少々気難しげな表情を浮かべておられました。
 うずうずと立ち上がらずにいられない気持ちを、ようよう抑えている…ような気配も放ちながら…



 私は、瘴気の影響からか、ネウロ様に頂いた『魔界電池』を通した共鳴のせいなのか、ネウロ様の感情を、ダイレクトに感じてしまう時があります。
 詳細は解らないので、漠然としたものなのですが、喜怒哀楽の区別は容易につくのです。

 その時ネウロ様が抱いていらした感情は、明らかに『忌々しさ』と『焦り』でした。






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