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〜探偵の助手観察記〜 11
ホントにズルいヤツ。
ホントに…可愛いヤツ…
「…んじゃ、遅くなったこと許してくれる?」
ワザとネウロからは上目遣いに見えるようにして、あたしは訊く。
ネウロはちょっと目をそらした。
「…それとこれは別問題であろう」
「ちぇ」
「…が、もう、どうでも良かろうな」
瞳を細めて笑うネウロは、綺麗でかっこいい…
いろんなこと放っぽってるカンジもしなくはないけどね。
もう、いいや…
「ときにヤコよ」
「ん?」
「事務所宛ての封書は回収してきたろうな」
急に空気が変わったのが判った。
「うん、あそこ」
あたしは、ドア付近に落としたカバンを指差す。
「よろしい。では、今度は貴様が我が輩の食事に尽力するがいい。今すぐ持ってこい。どうもあれに『謎』の気配を感じる」
「………」
…ちぇっ
結局は、食欲が優先しちゃうの、かぁ……
それがホントなのか誤魔化しなのかは、ちょっとわかんなかったけど…
でも、ま、いいよね、今は…別に。
「はいはい」
あたしは、いったんネウロから離れて、取ってきた手紙を取りに行く。
ネウロは、ただ笑ってた……
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[*前P]
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