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〜探偵の助手観察記〜 09

「あたしは別にネウロに嫌がらせしよーとか手間かけさせよーとか思ってるワケじゃないし。
 むしろ、その逆。
 荒れた唇なんか、あんたに触れてもらっても、どーかと思うから、付けてるんじゃん。そんなコト訊くネウロって、無粋で空気読めてないよね。
 ネウロのため、だったのに、さ…」
 精一杯皮肉ってやると、あたしがまさかそこまで言うとは思わなかったのか、少しだけ目を丸くした。
 あたしは笑う。

「そか、気になったんだー。
 ジャマ、とかいうトコが、いかにもネウロらしいけどね。
 そーか、ジャマなのか…
 残念」

「…黙っていれば、言いたい放題だな…」
 心底から苦々しく思ってるような言葉が、逆にあたしにはおかしい。

「なぁによ!答えがわかりきってることをワザワザ訊いたりなんかするから、ちょっと仕返ししただけじゃないのよ!」
「…それは穿ち過ぎというものだ。我が輩とて知らぬことはある。特に、そのような面倒くさい“たしなみ”とやらは、理解の範疇外なのでな」

「あーもう!
 そんなにめんどくさいならいい!もう触んないで!」
 ワザとスネて腕をバタつかせて暴れると、逆に両手とも捕られて、そのまま押し倒された…



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