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〜ネウロ逡巡〜 05

 ちらりと、サンダルとやらを履いた素足を見ると、赤黒く腫れている。

 今、ヤコは無駄に元気だが、それは虚勢で、実際は相当に痛いようだ。

 我が輩、毎日ヤコにちょっかいを出しはするが、大怪我をさせるつもりは毛頭ないのだ。死んでくれては意味がない。
 力加減はあくまで我が輩基準なので、実際はヤコは生傷が絶えないのだが。

 しかし今回、我が輩はヤコを捻挫させ、それに気付けず、故に笹塚刑事に好き放題言われてしまった。

 …何と苦々しいことか。


 先程笹塚刑事と話していた時の感覚のことを考える。
 我が輩は、悪意に関しては敏感である。奴から受け取った感覚は、悪意とまではいかなくとも、それに属するものであったのは間違いない。

 ヤコに対する意見の相違といえばそれまでなのであろうが…


 それにしても、奴がヤコの名をやたら連呼するのは気に喰わない。

 ヤコと奴とは、最初の事件からの知り合いで、紙一重で我が輩より古い付き合いであり、我が輩がヤコを探偵に仕立て上げたことで、情報源として役立ってはいるのだが……


 …ふと我に返ると、妙に静かで、背中が温かい……


「ヤコ?」
 …返事がない。




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あきゅろす。
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