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〜探偵の助手観察記〜 08

「このように邪魔でしかない物質など、何故付ける。女のたしなみだとヤコは言ったが、必要性があるとは、我が輩にはさっぱり思えん」

 あたしは笑ってしまった。

 あ、いや、こーゆー風に、ネウロが真剣に言ってることに対して、あたしが笑うのは失礼だし、ネウロが嫌がることも知ってるんだけど…さ…


 それもこれも何もかも…

 それがホントの気持ちからなのか、あたしに言わせたい言葉を導き出すための、確信犯的な演技なのか…
 たまーにネウロはそーゆーコトをしちゃうから、おかしくてたまんなくて、あたしは笑っちゃうんだ。


「…じゃさ、ネウロは、荒れた感触の方が、いいんだ。リップ付けた感触よりも?」
 逆に訊いてみる。

「ム。質問に質問で返すとは生意気な…」
「どうなの?」
「……さあな」
「もー、ずるいなぁ」
「ヤコが我が輩の問いに答えたならば、我が輩も答えてやらんでもない」
「…もー」

 答えてやらんでもない…って言って、ちゃんとキスする前に塗ったもの取っちゃうぐらいなんだから、見え見えじゃないのよ。
 ホントにズルいヤツ。

 …わかってるのにワザワザ訊くあたしも、ひとのことはいえないけど。



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