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〜学友日記〜 09
通話を切ってケータイをパチンと閉じたヤコは、
「ごっ、ごめん叶絵!
ネ…助手から、なぞ…いや違った急な依頼がきたって連絡がきて…今すぐ事務所に行かなきゃなの!」
ホントに慌てた風に言う。
「あー、はいはい」
私は手のひらをひらひらさせる。
「あーん、怒んないで!」
ヤコの言葉に、私は笑ってしまった。
「怒ってないよ。バカだねアンタは。
今日は付き合ってくれて、ありがとね。楽しかったよ」
そう言うと、ヤコはホントに嬉しそうな顔をする。
「うん、あたしも!」
…同い年とは思えないよ。可愛いね、あんたは。
「…助手さんにも、よろしく伝えといて。今日はありがとうございますって」
私は、ワザと含みのある言い方をしてやった。
「へ……」
間の抜けたようなヤコの顔。
…なんか、笑っちゃうなー。
「…特に意味はないよ。ホラ、早く行きな。
また明日ね」
「う…うん、また明日!」
ヤコは行ってしまった。
仕事へ。そしてたぶん…好きなひとのところ、へ。
いつか…ヤコも今の私みたいに、好きなひとのこと、話してくれるのかな?
そうだと…嬉しいんだけど。
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