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〜学友日記〜 05
「…助手にも、よろしく言っといて。イロイロと世話になってっからね」
その人はそう言って、私に軽く会釈して歩いてった。
「匪口さん、またそのうち」
ヤコが後ろ姿に向かって声をかける。ヒグチと呼ばれた人は嬉しそうに振り返る…
私は、ヤコの戸惑った感じの顔が何だか気になった。声かけるのも、少し躊躇ってたし。
気のせいなのかな?
「ヤコ、誰あの人?」
人ごみに紛れてヒグチさんの姿が見えなくなるのを待って、私は聞く。
「うん、刑事さんだよ」
ヤコはクレープの最後の一口を頬張りながら、言う。
「あんた、そんな知り合いがいるんだ…」
探偵やってるんだから、そーいう人脈あっても不思議じゃないか。何か刑事っぽくない感じの人だったし、仕事上の知り合いにしちゃ、ヤコの態度がちょっとヤコらしくなかったのが気になったけど、言わない方が、いいのかもしれない……
「あ、ヤコ、待たしちゃってゴメン。おかげで買えたよー。
んじゃ、今度こそパフェ食べに行こ!」
「ん!」
…ふと…
あのヒグチって刑事さんは、ヤコのこと好きなのかなー…って、思った。
根拠なんて、ないけど。
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