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〜学友日記〜 03
「あ、叶絵照れてるー」
照れてるんじゃなくて、驚いてんのよ、あんたに。
「そんで、どこ行こっか?おなかもすいたよね!」
「…そりゃアンタだけ」
よかった、いつものヤコだ…
ヤコはシェイクを片手に楽しそうに歩いてる。
ニコニコしながら歩いてる様子は、すごく可愛い。ごく普通の女子高生…なんだよね…
そんなヤコを見て振り返る人が多い。なにしろ、ヤコは有名人だから。
私の知らない『女子高生探偵・桂木弥子』に、みんな振り返る……
ヤコは全然気にしてない感じなのが、よかった。私ならきっと耐えられないよ。
いっつも好奇の目にさらされる有名人、なんて。
「あ、シェイクなくなっちゃった」
ヤコがあたりをキョロキョロする。
「ゴミ箱なら、そこのコンビニにあるじゃん」
私がその方向を指さすと、
「叶絵ありがと!」
タタッと走って、空の紙コップを捨てに行った。
すぐ戻ってくるかなと思ったのに、ポケットを探ってから何か出す。
何てことない、それはリップスティックだったんだけど…
軽くひと塗りしてから、追いついた私にヤコは笑いかける。
「今度は何食べようか?」
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