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〜ネウロ逡巡〜 03

 即座に返すと、奴は我が輩を横目で見、紫煙を吐きながら、

『アンタは1人で帰って事務所で仕事してれば?1人じゃ何も出来ない訳じゃねーんだろ』
『………』

 …そのあたりから、笹塚刑事から発せられたと思しき、異様な刺激を我が輩は感じるようになっていた。
 軽い電流のような些細なものなのだが。

 奴は突如、
『…アンタ、本当に弥子ちゃんを大事な“先生”だと思ってんのかね』

 …その言葉の真意が、我が輩には判りかねた。

 奴は続ける。

『弥子ちゃんがこんなケガしてんのに事務所に戻ろうとするなんて、アンタどうかしてんじゃねーの?
 コレ、わかるか?捻挫してんだぜ。弥子ちゃん立ってるのもやっとみたいなんだけど』

 傍らに目をやると、ヤコはそれを肯定するかのように、苦しげな表情を浮かべたまま。壁に手を添えて、立っているのがやっとなのは本当のようである。

 我が輩は内心で舌打ちをしてしまった。

 が。

 つい最近、似たようなことで秘書のアカネに叱責された我が輩には、正直衝撃であった。


『フォローもイマイチ真意こもってないし……ま、いつものことだけどさ』

『………』




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