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〜秘書のリアルブログ〜 04
「貴様の方が、ヤコより探偵向きなのではないか?」
そんなことを仰います。
…本心ではないのは、わかっていますよ、ネウロ様?
『弥子ちゃんには弥子ちゃんの得意な領域がありますから』
そう書いた文字を、ネウロ様はじっとご覧になり、
「そうだ…な……」
何を考えていらっしゃるのやら、呟かれました。
しばらく無言の後、
「ヤコが真に愚かなだけの女だったのなら…あのような厄介なことにはならなかったであろうに…」
仰います。いかにも苦々しげに。
何だか、らしくないです。
…だけど…
弥子ちゃんの、たぶんはじめてになるキスを、むざむざと他の男性に奪われた悔しさは、当然あるのでしょうね。
だからこそ、あの眼鏡を返す時に、わざわざあんなことをしたのか…と、妙に合点がいきました。
『愚か者であってほしいのですか?弥子ちゃんが』
私は訊きます。
「そうではない。
…いや、それは否定はしきれんか…」
今度は、自嘲めいた笑み。
ネウロ様って、案外表情豊かですよね。
ともかく。
弥子ちゃんの良さは、ご自分だけが知っていれば良いとか、思ってらしたのかしら…?
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