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〜明けない日はない〜 14

 ネウロは、思わず弥子が見惚れてしまう程の妖艶な笑みを浮かべ、何やら意味深な台詞を吐いた。

 そして再び、素早く軽く弥子に口付けると、踵を返してソファに座り込んだ。

 あかねからようやく、弥子の表情が見えた…


―うわぁ…可愛い…―


 率直に、思う。


 赤い顔をして頬を押さえていた弥子は、しばしして我にかえり、慌てて…だが恥ずかしそうに、ネウロの懐に入り座り込んだ。

 そうして、手紙の選別が、始まる。


 『いつもの光景』を眺めながら、あかねは髪をくねらせつつ考えを巡らせる。




 弥子の言う、『あれ以来』の『あれ』とは、やはり、あの日なのだろう。

 少しばかり、だがあからさまに、2人の様子がおかしかったあの日…

 少しばかり、というのは、その後の2人は、ほぼいつも通りであったからだが…
 それでも、それ以後よりの日々、微妙に変化した何かをも、あかねは察していた。

 そして、唐突に繰り広げられた、たった今の光景……


 だいたいのことは予想出来たが、結局何も判らないままのもどかしさが、このところの弥子不在時のあかねの不機嫌の原因であったのだ…が…



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