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18 〜逡巡する者〜 01

 流石に、密着度の高い口付けという行為のせいか…煩い程にヤコの意志が流れ込んでくる。

 支離滅裂で意味不明なことばも多かったが、饒舌な意志は、確実に行為に酔わされている様子を伝え、非常に興をそそられた。

 …途中から、気が高ぶり過ぎ頭の中が空白になったか、聴こえなくなったが。


 その直前、ヤコの、我が輩のこうした行為への経験の有無を訝しむ意志を読み取る。


 下らぬことを考えるだけの余裕を取り戻したのだと、密かに安堵し…
 心外極まりない疑いに不愉快さを感じさせられもし……


 我が輩の行為が、この女をひとかたならず酔わせたという現実が、ヤコにそう思わせたのであろうが。



 我が輩のしたことの大半は、既にヤコで試したこと。

 肌に触れた折にそれとなく反応を伺い、記憶したことを、唇にも行ってみただけの話だ。

 尤も、これまで戯れに目にしてきた、いくばくかの俗知識が混ざっていることは否定はしないが…


『試行錯誤』

 短い言葉で納得させる為に、腿を撫でつけてやると、即座に納得し同時に妙な反応をする。
 この女は、いったん気が高ぶれば、どこを触れられようが反応する…らしい。




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あきゅろす。
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