main storyⅠ
16 ～疑惑持つ者～ 02
……ねぇネウロ……
あたしは
今日はじめて…なんだよ？
…キス、は…
はじめてなのに、この感覚って…
「ん…」
湧き上がってくる何かが…どんどん大きくなってくる…
何だか少し怖くなってくる。
震えて、くる…
それを知ってか、ネウロは、あたしの唇を解放した。
そう、本当に、解放って言葉がぴったりくる。
けど、他のところは離してくれない。抱きしめられたまま…
ネウロは、ついでのように、あたしの耳に唇を寄せる。
「あ………！」
今度はびりびりくるような感覚。思わず、ヘンな声がほとばしってしまう…
ネウロはまた笑う。
「…ヤコよ…
試行錯誤という言葉を知っているか？」
気のせいかな。
あんまり聞いたことのない感じの、声。
ともかく、顔を近付けたままで、自分の唇を舐めながら、ネウロは囁く。
…だから、いやらしいよ…
そんなんだから、あたしが余計なコト、考えちゃうんじゃない……
『試行錯誤』
もちろん、知ってる…その言葉自体は…
だけど…
だけどだけどそれって……
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