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07 〜見抜く者〜
『貴様が何を謝るのか、わからん』
ネウロは…
こんなとき決まって、冷たいことを言いながら、優しい。
手の、唇の、感触が…いっそう辛い。
怒りたいなら、怒ればいいのよ。
奴隷の分際でとでも、下等生物の分際でとでも、いつものように。
バカなあたしを、いつものように、けなして踏みにじってくれればいいじゃない。
あんたがそうするから…いつもいつもそうだから。
こんなとき優しくないけど優しいことがわかってるから…
あたしがバカなまんま変わんないんだ。
いらない
いらない
優しいとわかっちゃう冷たさなんか、いらない。
今は、ネウロ…
あんたらしさが恋しい…
怒ってほしい。
怒ってくれるだけのあんたの気持ちが…今は欲しい…
『貴様が何を謝るのか、わからん』
……そんなウソなんか、言わなくていい……
だから…
ウソだと解ってることを…
それを言って欲しくないんだってことを…ネウロが思ってるのも判ってて、あたしは言う。
「……嘘つき」
あたしの顔に触れるネウロの指の、唇の動きが、止まる…
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