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〜きっかけ〜 02
―い…いや、もしかしたら、万が一、まかり間違うと、私達は客観的に見て、『公開虐待(プレイ)』してるか『ベタベタしまくりなバカップル』としか見えないのかもしれないケド…
だけど、だけど…!
それもこれも何もかも、ネウロからの一方的なことじゃないかーっ!
私の都合も意志も関係ないんだってば…!!
要するに、私はそんなん言われる筋合いはないんだ!!
私は何にも悪くない…っ!!―
だが、心の中で力一杯叫び抗議するしかできない実情であるのが情けなく、悔しい。
「ほぅ…」
ネウロは目を見張った。
『……(パタパタパタ)』
あかねは静観を貫くのみ…
「…フム」
ネウロは、顎に指を置き、脚を組み首を傾ぎ、何事かを思案中。
もちろん、弥子に腰掛けたままで。
―…何でこの化け物は、こんなトコで無駄にキザったらしくカッコつけてやがんだ…?―
…とは、命が惜しくて言えないが、とりあえず雑用はそんなことを考えた。
それほど恐ろしかったとも、いえるのだ…
妙な間の後、
「ヤコが ド Mというのは真実だが…」
呟くネウロに、弥子は叫ぶ。
「いや!違う!違う!!絶対違うから!!
『ド』を強調すんな!この鬼畜!ドS魔人!!
……うぎゃっっ…!!」
暴れ喚いた弥子は、悠然と腰掛けるネウロの肘の鉄槌を喰らい、再びテーブルに撃沈させられた。
ネウロは、沈めた弥子の頭を肘置きにし頬杖。艶っぽい眼差しに彩られた微笑みは、俗っぽい話題とはかけ離れた妖しげな雰囲気を醸し出す。
そうして首を傾げ、雑用に問うのだ。
「…しかしいまひとつ話が見えないのが、我が輩にはもどかしい。
雑用にひとつ問うぞ。
デキて…とはこの場合いったい何のことだ…?」
「「は?」」
思わず皆が耳を疑う。
ネウロは心底わからないという表情。その様子こそが、弥子と吾代、そしてあかねの3人には理解が出来ない。
「ご…ゴメン、ネウロ。今、私すんごく信じらんないことを聞いた気がする…」
眼下の弥子が呟くと、
「…この単細胞が。
先程の貴様らの会話が、我が輩とヤコのことを言っていたのは解るが、肝心なことはさっぱり判らん。
デキて…とは何だ?
貴様らはいったい何の話をしているのだ…?
…と、訊いている」
ネウロの、どうやら本音であるらしき言葉は、皆にはどうしても信じ難いことでしかない…
少しの間の後、
「「はあああぁぁぁ?!」」
探偵と雑用は叫び、秘書は脱力する………
「10秒で我が輩にもわかるように説明しろ、雑用」
「……10秒もいらねーよ……」
雑用は溜息を盛大に吐く……
……間…………………
「……ほーぅ……」
「いやいやいやぁ〜っ!
私は何も知りませーん!!
なんにも聞いてませーん!!」
『(もぞもぞ…)』
意外に純情だったらしい吾代が、真っ赤になりながら『デキる』のこの場合の意味を一言で説明すると、さすがのネウロも理解したようだった。
他の…乙女2人の反応はといえば、ほぼ同様。弥子は耳を塞ぎ、あかねは身をよじり恥ずかしがる。
…いや、ネウロ以外は、皆意味は知ってはいるのだが、弥子もあかねも吾代も、直接的な言葉は苦手で恥ずかしいものらしかった。
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