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〜助手にさざ波を…〜 03
『桂木が探偵を辞めたら…理由が無くなったら、お前らはそれでお終い?』
匪口の問いに、ヤコは普段あまり見せない強ばった顔付きとなる。
そして…呟く。
『そうかもね…
…そんな先のことは、わかんないけどさ。
でも、私は、普通の高校生でしかないんだし、探偵辞めれたら、いいかもだね』
何故…そのように投げやりに言うのだ…
『声』は今は聴こえない…
『…特別辞めたいとは思わないし、辞めたくないとも思わない……だけど、ネウロに「探偵桂木弥子」が必要なら、必要な間はやるよ…いつまでかわかんなくっても、いつまででも』
ヤコは言う。
随分と殊勝な心掛けではあるが、くどくどと連ねられた台詞の全てが、気に入らない。
気に入る訳が、ない…
……だが……
ヤコはどうも、『理由』にこだわるようだ。
我が輩がこれまで散々叱咤してきたせいもあるのだろう。
共に在る理由なぞ…
有って無きようなもの。
共に在るならば、今となってはヤコはあくまでも『探偵桂木弥子』であるしかなかろう。
そのように、事柄は動いてきたのだ。
……ただ…それだけではないか……
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