main storyⅠ
～続・結也の短い夢～ 12
一言、だ。
たったのひとことで…
…俺の完敗。
悔しい…
口惜しい……
…でも…
……圧倒的に叶わない……
敵前逃亡なんて、男がすたるんだ。
わかってる。
ネウロは人を殺しやしない。
俺は殺されやしない。
だけど…だけど……
コイツの発する殺意に似たものに呑み込まれちまうのは、俺には…耐えられない………
息が切れる。
動悸が、おさまらない。
気が付いたら、桂木と逢った場所に、俺はいた。
ここで桂木に逢って…
それから。
俺は桂木とキスをした。
……強引にだけど……
あれは……
……夢なんかじゃない。
一応、希みのひとつは、叶いはした……
だけど、一歩踏み出せたハズの俺は、今はもう、遥か遠くまで後退しちまったとしか、思えない。
あぁ、もう……
桂木と今後、どう顔合わせりゃいいんだよ。
したことそのものに後悔なんか、しちゃいないけど……
『君が自分の行動に責任をもてるなら、君のしたいようにすればいい』
あぁ、確かにそれってカンタンそうで、無茶苦茶難しいね、筑紫さん……
.
［*前Ｐ］［次Ｐ#］
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
