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〜続・結也の短い夢〜 10
「つくづく、若い人は大胆なことをなさるのですね。
あの先生に、あれほど情熱的に迫られるなど、僕は実に驚かされましたよ…」
やけに丁寧な言葉遣いだ…と思ってたら…
あぁ…そうだ。
思い出した……
コイツ、素はこんな喋り方じゃあ、なかったハズ……
…あんま聞いたわけじゃないんだけど、確か…
いかにも偉そうな、尊大な、唯我独尊な口調なんだ、素のコイツは……
「あんた…」
絞り出した声は、遮られる。
「僕は感服しているんですよ、匪口刑事。
先生の素晴らしいところを、きちんと見て下さっていたという事実に、その目に、
…そのこころに…」
理屈はわからねーけど、その言葉は、この雰囲気はヤバい、と感じる。
悔しいけど、俺は何も言えない。
ヘタなことは言えやしない。
……この化けモンが…言外の何かを発して、俺をそうするんだ……
俺の返事とか言葉なんか、ハナから聞く気はないんだろう。
ネウロは、少しも変わらない笑顔を浮かべながら、なお話し続ける。
「…そして、その行動力にはこころから感銘をうけました…」
俺は無意識に身構える。
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