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〜続・結也の短い夢〜 07
俺はそんなに力の強い方じゃないけど、それでも、女の子よりは多少力はあるつもりだ。
少なくとも…愕き戸惑ってる今の桂木よりは。
桂木は、手に持ってた袋を両方落として、よろよろとあとずさった。
当たり前の反応とはいえ、俺には好都合で…
俺は桂木を壁に押し付ける。
…そのまま、顔を寄せる。
この娘の唇に…
唇、を……
……触れさせる………
「う……!
…ん……!!」
桂木から漏れたのは、間違いなく抵抗の声だった。
けど、気にならない。
桂木の唇は、思ってたよりずうっとやわらかい……
力ずくで汚いコトしてても、俺は今は嬉しい……
カシャン、と、俺の額に引っ掛けてあった眼鏡が落ちる。
目を開けると、いっぱいに見開かれた桂木の、瞳。
俺はキスの経験、ないワケじゃあない。
けど、そんなに経験があるワケでもない。
強引に奪っちまったから、桂木の反応が良くないのは当然で仕方ないけど……
口惜しい。
この娘は、アイツには、こうじゃないんだろうな……
ふと、考えたら……
「…おやおや…」
背後から、低い声……
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