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〜思わぬ展開〜 08

―我が輩はまた、奴隷とし隠れみのとする誰かを探し出し、また同じように扱うだけだ…

 だが、それ以前に…―


 こころの赴くままに少女を虐げてきた…
 戯れに少女を追い詰めた…
『ネウロなんて大っ嫌い!!』

―…それでも―

『甘えすぎています』
―我が輩はそれでも…
 ヤコが去る
 ヤコを失う…など…―

 思い至ることは一度たりともなかったのだ。
 あかねにいわれるまで。

―その『思い込み』が『甘え』というのなら……―


 不意に、魔人にあるまじき、思い惑う自分が滑稽に思えてくる。

―我が輩はそもそも、何の為に何を伝えに、ここに来た…?―

 ただわかるのは、

―つまらぬことで折角ここまで築いてきたモノを失うのは、愚の骨頂なのだ…―

 ということ……





「……ン……」
 弥子が身じろぎした。

(今、何時だろ…)

 目を開けると、眼前にネウロの姿。
 瞳があい、

「…!!」
 弥子は慌てて飛び起きる。
 ネウロは姿勢はそのままで、視線だけ弥子に移した。

 何も言わない。

「あ…あんた何でこんなトコにいんの?」
 弥子は震える声で問うた。

 魔人は答えない。





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あきゅろす。
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