main storyⅠ
～続・結也の短い夢～ 03
どうやら桂木はやっと、考えを俺に、俺のことばに向けてくれたらしい。
ほんの少し間があって…
その表情が、みるみるうちに愕きのような怯えのようなものに変わってった……
『お前がもっと普通の娘だったら…届くのに……』
震えてる。
桂木は胸を押さえて震えてる……
そうか…
わかっちまったか…
……やっと。
何で俺が桂木を待つか。
何で一緒に歩きたがったか。
何でアイツのこと聞くのか。
…届かないのが何なのか…
…俺の、手。
……俺の気持ち。
そして…
そんな俺に桂木は何を言って何をしたのか……
俺のひとことで、ようやく…だけど全部…気付いちまった。
…気付いてもらって、それから？
……俺はどうしよう……？
『…付き合ってるヤツがいかにヤバいヤツかって、まずわからせて、引き離すことが先決じゃねーの？』
笹塚さんの言葉が、俺の頭をよぎった。
だけど…
今の桂木の様子じゃ、それはかなり難しいと思える。
悔しいから、『無理』とは思いたくはない。
今は、保留ってことにすればいいのかもしれない…
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