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〜桂木弥子の黄昏〜 05
そして、声が少し震えてる。
…何で?怒ってる…?
「私は、全然普通だよ」
匪口さんが何で怒ってるような声なのか解らないまま、あたしは答えた。
「お前、全然普通なんかじゃないじゃん。
普通じゃないヤツと一緒にいられるのは、やっぱ普通じゃないんだよ。そーだろ?」
その言葉に、あたしはムカッとした。
何で匪口さんはこんなキツいことを言うんだろう?
「お前が普通の娘だったら…」
「…匪口さんは…ネウロのことわかってないから…」
匪口さんの言葉を遮って、あたしはそれだけ言った。
「……ッ」
言葉を詰まらせる匪口さん。
悔しそうな顔の匪口さん。
…ごめんなさい匪口さん…
溜息が出る。
だけど、そうだね。
ネウロの正体を知ってる匪口さんでさえ…
…ううん…知ってるから、こそ…?
ネウロのことを知ってたら、一緒にいること、そんな風に言うのが、普通なんだろうね。
なのにあたしは、イヤなんだその『普通』が……
…匪口さんや他の人達は…あたしがネウロを理解するほど…解るほどには…
ネウロを解ってくれてないから…そんなことを言うのよね……
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