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〜桂木弥子の黄昏〜 04
今、ネウロと離れたら…また…穴が開いちゃう。
もっとずっと大きな、もう絶対に埋められない穴が、開いちゃう……
あたしは…それに耐えられる自信なんか…ない……
「化け物も魔人もないよ。アイツがアイツだから、あたしは一緒にいられる」
あたしはそれだけ、言った。
考えのまとまらない結論だけを口にしちゃったから、匪口さんにはワケがわからないかもしれない。
ううん、わからない。
だけど…ひとを納得させられるような『理由』なんか、ないんだ……
……一緒にいたいんだ…あたしは…あたしのために……
だけどそれだけじゃ悔しいから……
ネウロの言うとおり『奴隷人形』になっちゃうから……
あたしは、
あたしは…
……あたし、は……
まとまらない。
頭の中が、ぐるぐるする。
ふと、また匪口さんを見上げる。
表情が、歪んでる。
どんな感情からなのか、あたしにはわからない。
「桂木は、何でそんなに普通じゃないんだよ…」
匪口さんは言う。
…普通…?
意味はよくわからないけど、匪口さんもいろいろ考えた末の言葉なんだろうな、きっと。
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