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〜桂木弥子の黄昏〜 03

『あのネウロの正体、いつから知って……』

 あたしはどれくらい考えてたのか…顔を上げると、匪口さんがじっとあたしを見てた。

 ずっと見てたの?

 悪趣味だよ匪口さん…


「ネウロは、出逢ったはじめから、化け物だって、私知ってたよ」

 そう、言ったら、匪口さんは途方にくれたような顔をした。

 …何で匪口さんが、そんな顔をするの?



「…知ってて、一緒にいられるのは……
 桂木…何で?」
 匪口さんは訊く。


 …また、『理由』…?



 …何で…?

 あたしはまた考える。


 はじめて逢ったとき、あんなに恐ろしくて。
 その後のあたしへの態度もひどくて。

 ドSで気紛れ、唯我独尊で。

 …挙げたら、イヤなトコしか出ないくらい。


 しかも、人間じゃ、ない…



 だけど……

 強いられて一緒にいた筈なのに…


 お父さんを失って穿たれてしまった大きな穴を、特別慰めるでも何するでもなく、いつの間にか、ネウロが、埋めてくれてしまってた……

 立ち直るのにどれくらいの長いときがかかったか、わからないほどの出来事だったのに…


 アイツの、おかげ、で……





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