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〜桂木弥子の黄昏〜 02

 だけど……
 そんなに、気にするほどのことなの…?

 何となく、並んで歩くのは気が引けてただけなのに。



「理由がなきゃ…」

 それがきっかけで匪口さんが口にした、この言葉に、私は他のことが考えられなくなってしまった。


 理由がなきゃ、一緒に歩けない…?

 理由がなきゃ、一緒にいられない…?


 ネウロは……

 理由が、なかった、ら、あたし、を……?


 頭の中を、『理由』の一文字がぐるぐるする。



 あたしは、理由が、欲しかった…?

 理由がなければ……いけなかった…?


 あたしの中の可能性をあたしが自分で切り拓くのは、あたしの為だけじゃなく、ネウロのためだけでもなく……

 アイツのそばに居る理由が、ないと不安だったから?

 その理由が、欲しかった、から……? 


 わからない。

 だけど、あたしは、あたしが頑張れば、広がる何かがあると判ったから、頑張ってきただけなの。

 「期待外れ」と言われてショックで悔しくて…それをバネにして……

 教えてくれたのも、何だかんだ、後押ししてくれたのも、アイツだったの……


 だから、今のあたしが、あるの………



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