main storyT
〜思わぬ展開〜 07
―あぁ、何と厄介なことだ…―
あかねの訴えをもう一度読み返し、しばし考え、ネウロは、
「アカネ、ここを空ける」
言うが早いか、魔人は事務所の窓から夜の街に飛びたっていった。
少女はベッドに身体を投げ出し、眠っている……
苦もなく少女の部屋に侵入した魔人は、その姿を認め拍子抜けする。
―全く、なんとも呑気なものではないか…―
と、苦笑が漏れた。
やおら近寄ってベッド脇に座り込み、顔を眺める。
観察するかのごとく見つめていると、頬に涙の乾いた跡を認めた。
涙は、つらい、悲しい…マイナスの気持ちの表れであるらしいことは、ネウロでも解っている。
―あの話題で戯れたのが、それほどまでこたえたのか…
これまで、我が輩のどのような仕打ちも、ヘラヘラ流してきたのに…―
『離れていってしまいますよ』
―我が輩がこのままの我が輩であれば、いかに単細胞でも、いつかはあかねの云うとおり去ってゆくのだろうか…―
『普通の女の子です』
『舌噛んで死んでやるから!!』
―どのような形ででも、強行するのだろうか…―
そうなった時。
.
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!