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〜思わぬ展開〜 06

『そうです。普通に傷付いて、普通に夢見る、普通の女の子です』
「………」
 最後の“普通”をより強調するあかね。ネウロは黙って文字を追った。

『だけれど、ネウロ様の唯一の理解者ではないですか』
「………」

―唯一の理解者―

 ほんの少しだが、驚いた。

 怒気を含んだ文字は、サラサラと紡がれる。書き終えて、あかねは読めとばかりに、文面をペンでトントンと叩く。

『ネウロ様は弥子ちゃんに甘えすぎています。
 このままでは弥子ちゃんはネウロ様から離れていってしまいますよ!』

 更に驚いた。

―甘えている?我が輩がヤコ如きに…?―

 肯定する気はさらさらないが…何故か否定する気持ちにもなれない。

 今度はゆっくりと書き出す。
『何をしても許してもらえることと、何をしてもいいということは、違います』
「……ああ、そうかもしれないな」
 率直に認めることができる。
 そのようなことを知らない自分であるなら、『探偵』を隠れみのとし『助手』を演じる選択肢は有り得ないからだ。


 涙を流す少女の姿…「大っ嫌い!」
 あかねのことば…『離れていってしまいますよ』
 …が、胸中で交錯した。


―しかしまぁ、なんと…―






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