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〜特例刑事の午後〜 03
どーやら笛吹さんは、テキトーな部屋に俺を閉じ込めて、始末書を書かせるつもりらしい。
…それにしたって筑紫さん、具体的な指示なんて笛吹さんから何にも出ないのに、よくここまで動けるよなぁ…
刑事とか部下としてのカガミだよなぁ、うん。
「ねぇ筑紫さん」
「………」
俺を連行しながら並んで歩く筑紫さんは、声じゃなくて視線で返事をする。
「気になる女の子が、なんだかヤバげなヤローと付き合ってたら、筑紫さんならどーする?」
ついでだから聞いてみる。
「……自分には難しい質問ですね」
筑紫さんはちょっとはにかんだ感じで言う。何だか珍しい顔を見たなー。
答えにはなってないけど、聞いて良かったかも。腰巾着なんて言って、悪かったな……
…と、
「…匪口」
前を歩く笛吹さんが、こっちも見ずに、言う。
「何スか」
「…何故私ではなく筑紫に先に尋ねる…?」
…ヘンなこと聞いてくる。
「“先に”ってゆーか、笛吹さんには聞く気ないんだけど…」
ぽそっと俺は呟いた。
「それは私に対する明らかな侮辱だぞ匪口!
お前の直接の上司は誰だ?
相談ならまずは私にすべきであろうが!!」
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