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〜無気力刑事の午後〜 03

「…それ、まんま彼氏じゃねーの?」

 何かそんなん、どっかで見たり感じたよーな気がする。
 きっと気のせいだ。

 匪口は両手を上げて首を振った。

「わかんない。だけど、そのコはいつもビクビクしてるよーには見える。
 その割には、結構普通に一緒にいたり」

「ドメスティック何とかってヤツか…?」

「さぁ…。ただ、相手がさ、いろんな意味でタダモノじゃないんだよ」

 タダモノじゃないって、その筋のヤツなのか?
 匪口が好きになる年代の女の子の相手としては、穏やかでない気がする。

「笹塚さん、あのコをちょっとでも振り向かせるには、どーしたらいいと思う…?」

 難しいことを言うな。少しは自分で考えろ。面倒くせーじゃねーか。


「…よくわかんねーけど、その女の子に、付き合ってるヤツがいかにヤバいヤツかって、まずわからせて、引き離すことが先決じゃねーの?」

 つい最近俺も、似たよーなことを思ったような、妙な感覚に見舞われた。
 …よく思い出せねーが…


「やっぱ笹塚さんもそー思う?
 …俺もか…彼女にはいつもそー思ってたんだよなー」

 匪口は、我が意を得たりとでもいうような得意顔。




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